ベースと二本のアームからなるyoritom-Hookは、シンプルな構造のため、発明当初、ダイカスト法などで量産できると思われました。しかし、アームの形状が金型に簡単に収まらない曲者であると判り、初期生産は、京都の老舗・金物のCHOBEY(1751年設立)のご協力を得て、アームを一本ずつ職人の手で溶接する製造となりました。そして2019年12月に最初の500個が誕生し、そのうち200個は京都に、100個を沖縄に、そして200個はスイスに分配されました。
日本でマジカルスカーフホルダーとして紹介されることになったyoritom-Hookは、スカーフを今までにない全く新しい方法で掛け外しできる機能を備えたフックですが、ただ見ただけでは使い方がわからない、という弱点を持っています。スイスでの経験からいうと、200個がスイスに届いた際、スイス税関で「医療設備のパーツ」と分類されましたし、近所のブティックに展示させて頂いた時も、女性客は使い方云々以前に、これがそもそも何なのかわからない、だから見ても興味を示さない、という現実がありました。機能だけでは訴えられない、「まずはアイ・キャッチが必要ね」という店主のアドバイスで、カラー・バージョンが生まれた次第です。